高山稲荷神社奉納画絵-解説文

先日奉納された高山稲荷神社奉納画絵の解説文が公開されました。

【高山稲荷神社奉納画絵の由来と意図】

本図に描かれる御狐様は、
高山稲荷神社の大神様に御使として、
天より舞い降りたとも、岩より翔け上がったとも見える二義の姿によって表されています。

背に負う稲穂は五穀豊穣のしるし、
胸に抱く宝珠は人の願いを照らす霊力の象徴。
蓑笠の装いは、古より稲荷の御使が“民とともにある神”として
田畑に寄り添い、雨風をいとわぬ姿を表しています。

下部の大岩は地鎮と安寧の象徴。
この地を静かに支え、災いを鎮め、
代々の営みを守護してきた「土地そのものの力」を示します。

三日月は農耕の暦を司る月のめぐりをあらわし、
巡り・満ち欠け・豊饒の循環を示します。
稲荷信仰において月は、実りと祈りをつなぐ大切な星です。

本図全体は、
「降臨(守護の到来)」と「飛翔(繁栄の兆し)」の両方を抱く構図となっており、
喜び・豊穣・安泰の三徳が重なるよう意図して描きあげました。

稲光のあわひに照りて
狐は天つ道・地の道を往きかへり、
抱く宝珠は人の願ひをひそかに映す。
穂は実りて風に鳴り、
月は満ちて夜を清め、
高山の岩は動かずして
国土をしづめ守りたまふ。

加納節雄 絵師