ジョン・キーナン教授からのメッセージ
加納節雄氏の作品を目の当たりにできることは、本当にかけがえのない喜びです。過去6年間にわたり、加納氏は生命の神秘や仏教における無常観(mujo)を探究する、数多くの創造的な作品を生み出してきました。彼の絵画は、私たちの存在がもつ儚さへと深く分け入り、見ることを超えた感覚を呼び覚まし、この世界の移ろいゆく本質を体験するよう促してくれます。
先日、フェノロサ・ファミリーとともに加納氏の東京アトリエを訪れた際、私たちは彼の独創的かつ現代的な制作アプローチを、プライベートビューイングという形で拝見することができました。加納氏の遊び心あふれる創造性と表現方法に、私たちは心から魅了されました。水性インクを用い、伝統的な和紙に描かれる彼の作品は、江戸期の美意識の精神と現代的感性をひとつに結晶させ、鑑賞者に思索と楽しみの空間を提供しています。
今後も加納氏の豊かな創作活動が続き、その作品が世界中の人々と共有されていくことを、私たちは心から楽しみにしています。
ジョン・キーナン
ウィリアム・H・アンド・ソニア・カールソン・デイビドウ ’56 ファインアートギャラリー ディレクター
ソニア・カールソン・デイビドウ ’56 ファインアーツ寄付講座 主任
コルビー・ソーヤー大学(米国ニューハンプシャー州ニュー・ロンドン)
