フェノロサ・ファミリー アトリエご来訪

日本美術の価値を国際的に高めた功労者として名高いアーネスト・フェノロサ(1853–1908)氏。明治初期に来日した同氏は、急速な西洋化の潮流の中で日本の美意識の独自性に深い関心を寄せ、その研究・保存・評価に多大な貢献を果たしました。東京芸術大学の前身である東京美術学校の設立を推進し、帰国後はボストン美術館東洋部長として、日本美術を欧米へ紹介する役割を担いました。
その情熱と尽力により、私たちは今でも数多くの優れた日本美術に接することができています。

このたび、アーネスト氏の大姪にあたるご家族が来日され、同氏ゆかりの地を訪問されました。

東京藝術大学をはじめ、アーネスト氏の遺骨が納められている三井寺など、フェノロサ氏の足跡をたどる行程の一環として、加納節雄のアトリエにもお立ち寄りいただきました。

ご家族の皆さまには、アーネスト氏が生涯を通じて魅了された日本美術の精神が、加納節雄の創作において現代的な形で継承されている点に深い関心をお寄せいただいております。短い時間ではありましたが、作品を通じて日本美術の過去と現在を結ぶ有意義な交流のひとときとなりました。